日本の文化財を地震から守るには~超コンパクト免震テーブル~
免震台
ヤクモの超コンパクト免震テーブル『エンジェルウテナ』が新しくなりました。免震機構部の改良で長周期地震動に対しても高い免震性能を発揮、高さを抑えたシンプルなデザインで、文化財や美術品の美しさを損なうことなく地震のリスクを低減できます。
課題
大規模な寺の改修工事などでは大切な文化財を地震から守るため免震化することが多くなっています。某寺院においても、様々なサイズ、重さの文化財を免震装置に搭載することになり、ヤクモの豊富なラインナップから適切な免震装置を選定しました。免震性能を確認するため過去に発生した地震を6種類選定しシミュレーションを行ったところ、1つの地震波で、免震ストロークが厳しくなる可能性があったため、免震テーブル『エンジェルウテナ』のリニューアルプロジェクトをスタートさせました。
対策
エンジェルウテナは、V型レールによる復元機構とローラー内部の減衰機構によって性能がきまります。
今回のリニューアルでは、免震装置の性能を最大限発揮させるため、ストローク長さと減衰のバランスを追求しました。詳細なシミュレーションによりそのパラメータを探り、試作品の実験によってパラメータの値を確かめ、いくつかの試作品の中からシミュレーションによる最適パラメータに近いものを採用しました。
結果
実験によって得られたパラメータで再度シミュレーションし効果が得られることを確認しました。
このとき気をつけなければならないのは一つの地震波に絞ったパラメータ設定ではなく幅広い地震波に対応できるパラメータでなければならないことです。案件に絞った設計ではなく長期的に信頼性のある免震装置ではなくてはなりません。ヤクモの免震装置は長年の経験とデータの蓄積によって常に進化しています。