生産設備機械が原因で発生したオフィス床振動問題の解決事例
設備機械の場合、機種の入れ替えや可動スピードの変化などちょっとしたことが原因となり、振動源から離れた思わぬ場所で突如振動問題が発生することがあります。そんな時ヤクモのAMDなら「あとから」対策が可能です。
課題
A社工場においては、プレス機が高速にて稼働すると、隣接する事務棟内にて床揺れが大きくなり、執務環境の悪化が懸念されていました。床振動を測定したところ、オフィスの基準とされているISO2631/2の環境係数4はほぼ満たしていましたが、椅子に座って執務を行うと体に揺れが伝わって気分が悪い、などの意見が多数寄せられていました。ヤクモでは更に詳細な解析を行い、特に大きく発生している6.6Hzがプレス機の加振周波数であることを明らかにし、またオフィスの床の固有モードが6.2Hzであり、プレス機の加振周波数の揺れを増幅させていることを明らかにしました。
対策にあたっては、プレス機側の防振対策は既に行っており、現状以上の対策は難しく、オフィス側で追加対策を行うこととなりました。オフィス側の対策としては以下の1・2を満たすことが条件でした。
- オフィス床の振動を環境係数2まで下げること
- オフィススペースを極力無駄にしないこと
お客様と弊社で各種対策方法を検討しました。結果、TMDで床の固有モードとは異なる6.6Hzを低減させるためには、マスの大きさが大きくなり、2を満たさないとのことでしたので、小型で大きな効果が得られる制振装置AMD(アクティブマスダンパー)の設置がベストという結論になりました。
対策
オフィススペースをなるべく広く使えるように、既存の50kgタイプAMD(YAMD-0050)をカスタマイズしました。設置台数は、2階、3階、4階の事務所22m×40mの事務所に対して各2台、計6台を、揺れの大きいスパン中央に配置することとしました。
結果
AMDの効果で、プレス機由来の6.6Hzの振動をオフィス床で低減。環境係数4程度であった振動を環境係数2(ISO-2631)以下にしました。オフィススペースを無駄にせず、執務環境を大きく改善することに成功しました。