地震からビルを守ります。~100tonクラスのTMD事例~
制振装置
ビル用地震対策TMDの事例です。TMDは建物の屋上に設置する制振デバイスですので、構造体に制振ダンパーなどを取り付ける対策と比べると、居住スペースの有効活用に繋がります。
課題
某オフィスビル(10F、鉄骨造)の新築計画において、レベル2(大規模地震)時の建物損傷を防ぐための対策が検討されていました。
こういった場合、オイルダンパーなどの制振部材が用いられることがありますが、以下が問題となることがあります。
- 設置台数が多くなるとコストアップとなる
- 空間が区切られてしまい、有効活用できない
- 制振部材は壁の内部に設置されることが多く、装置へのアクセス・メンテナンスが難しい
本件では、屋上にTMDを設置する案を採用することで建物内部の空間を広く有効に活用出来るプランとなりました。また、装置のメンテナンスも容易に行うことができます。
対策
ヤクモでは、下図に示す仕様のTMDの設計、製作、施工を実施致しました。
結果
レベル2の地震動に対する地震応答解析結果を下図に示します。
TMDにより層間変形角および最大加速度が大きく低減されることが確認できました。地震時の揺れを小さくし、後揺れもすばやく抑えることが期待出来ます。