フィットネススタジオの多人数運動による振動問題を回避!
制振装置
ダンスやフィットネススタジオでの多人数運動による振動が、上下階に伝わりトラブルになることがあります。ヤクモの制振装置TMDで揺れを抑えることで、上下階に不快な振動を伝えず快適な環境を実現します。
課題
ダンススタジオやスポーツジム(スタジオレッスン)などでは多人数がリズムに合わせて体を動かしたり、飛び跳ねたりするため、大きな振動が発生しやすいです。この振動は運動を行っているフロアだけでなく、上下階に伝わり問題になる場合があります。
某商業施設では2階に飲食店、3階にスポーツジムを予定していました。計画段階において、スポーツジム内スタジオでレッスンを行った際に下階の飲食店に振動が伝わり、居住環境の悪化が懸念されました。
対策
事前検討の結果、3階スタジオの床は剛性が高く、揺れによる問題は無かったので、振動が懸念される2階飲食店の床に300㎏のTMDを2台設置することにしました。(図1、図2、表1)
図1.平面レイアウトイメージ
図2.TMD外観(左)と設置状況(右)
表1.TMD基本仕様
2階床のスパン中央部で固有振動数の測定を行ったところ12.2Hzが卓越していたため、TMDの振動数をこれに合わせ調整しました。(図3)
図3.かかと加振した時の応答振動加速度測定結果
結果
3階床で1人連続ジャンプ加振を行い2階床で応答加速度を測定した結果をもとに、10人の縦ノリ運動時に発生する振動を推定し、日本建築学会の居住性能評価曲線で評価をしました。
TMDでの対策無しの場合は、V-70を超えていますが、制振対策をした場合はV-50程度となっています。これは新規準(AIJES-V0001-2018 建築物の振動に関する居住性能評価規準)の評価では「あまり気にならない」レベルとなっており、フィットネス運用時でも適切な振動環境が確保できているといえます。
図4.TMDによる効果 3階で10人縦のり加振時における2階床振動加速度の推定値