騒音対策の基礎知識 ~「吸音」と「遮音」について~

音の伝搬防止技術として代表的な吸音と遮音について解説します。

吸音とは

 吸音とは材料によって音の反射量を小さくすることです。
 吸音材料の吸音特性は、吸音率αとその周波数特性で表されます。吸音率αは下式の通りです。
 αは、材料に対する音の入射条件により異なるため、あらゆる方向から入射する吸音率は、JIS で規定されている残響室法の測定より得た値を用いるのが一般的です。

遮音とは

 遮音は外部からの音の伝搬を遮断することです。材料の遮音性能は、音響透過損失TL(dB)の周波数特性で表されます。音響等価損失TL は下式のようになります。
 音響透過損失(TL)も吸音率(α)と同じく、材料に対する音の入射条件により異なるので、あらゆる方向からの入射音に対するTL は、JIS で規定されている測定より得た値や、実用式より求めた値等を用いるのが一般的です。

吸音・遮音技術による音の伝搬防止対策(防音カバー)の例

 遮音・吸音技術(材料)を用いた防音カバーによって、内部の音が室外に漏れることや、外部の音が室内に入るのを防ぐ対策です。ここで対象とするのが空気(伝搬)音で、前者は音源側の対策として防音壁や防音カバー等を使い、音源が受音点側(外部)に与える影響を軽減させます。後者は防音カバー等を使い、外部からの音を軽減させます。

図 防音カバーによる対策(左:内→外の対策、右:外→内の対策)



※参考文献
 新・公害防止の技術と法規2016 騒音・振動編  公害防止の技術と法規編集委員会 編


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